壱岐をぐるっと周って神社参り!

パワースポット満載の神々が宿る島

玄界灘に浮かぶ壱岐島は南北約17キロ、東西約15キロの小さな島。車で一周すれば約2時間で周れる。そんな島には神社庁登録だけでも大小150余りの神社が存在し、祠を含めればその数1,000社に達するという。一時はギネス登録を目指したとか。「神々が宿る島」をキャッチフレーズにし、神社巡りの観光コースも多彩。ぐるっと周って、神社パワーをもらいに行こう!

飲食店街に堂々、艶っぽく!? 塞(さい)神社

壱岐へは博多港から郷ノ浦港、唐津東港から芦辺港の船のルートがある。所要時間はほぼ同じ。島の南西に位置する郷ノ浦港を出発点に、北部の勝本漁港を経由り、芦辺に向かう東回りの神社巡りをすることに。

郷ノ浦港から3分も走れば郷ノ浦中心街にある「塞神社」に着いてしまう。本殿脇に目をやれば…巨大な男性のシンボルが!猿田彦命(さるたひこのみこと)と天鈿女命(あめのうずめのみこと)が一体神となった猿女命(さるめのみこと)が祭神で、良縁・安産・夫婦和合から性の病までご利益あり。奉納されているものもエロチックな品々だ(笑)。宮司は不在なので御朱印は事前に國津意加美神社の社務所へ予約を。同神社は塞神社から車で3分ほど

Location 長崎県壱岐市郷ノ浦町片原触113
Phone number 0920-47-0675(國津意加美神社)
remarks 駐車場なし・トイレなし

美女神に囲まれたヘラクレス 天手長男(あまのたながお)神社

郊外店が並ぶ国道332号を北上し、次に「天手長男神社」へ。国道から一歩脇に入れば田園地帯が広がる。神社へ続く参道は狭い上り坂。そして駐車場はさらに急な坂の上だ。人気のない小高い森の中に佇み、本殿も小ぶり。しかし、ここが壱岐国一の宮の格式ある神社なのだ。ご祭神は三神で、その一柱の天手長男は天岩戸をこじ開けた怪力の持ち主。さらに合祀された「天手長比売(あまのたながひめ)神社」の5人の女神はいずれも絶世の美女神とされる。良縁・安産・子育てや殖産振興などご利益も多い。御朱印は書置きで奉納料300円。

Location 長崎県壱岐市郷ノ浦町田中触730
Phone number 0920-47-5748
remarks 駐車場あり・トイレなし

夫婦円満を祈願する大楠 住吉神社

国道332号に戻り、さらに北上して芦辺町の「住吉神社」を参拝。壱岐の正月参りの七社である「壱岐七社」の一つで、駐車場も十分で止めやすい。格式も高く、住吉神社としては「日本四代住吉」なのだとか。平安時代から室町時代にかけての貴重な文化財を多数有し、12月恒例の「壱岐神楽」は約700年の歴史を持つ国指定重要無形文化財だ。

境内には「夫婦クスノキ」の大木があり、良縁・夫婦円満の祈願に訪れる人も少なくない。この日も若い夫婦がお参りしている姿を見た。男性は左回りに、女性は右回りにそれぞれ一周すると良いとされている。幹回り5.2mで島内一の大木だが、樹齢は不明なのだとか。御朱印は社務所で受け取れるが、極力予約を入れてほしいとのこと。

Location 長崎県壱岐市芦辺町住吉東触470-1
Phone number 0920-45-3002
remarks 駐車場あり・トイレあり
Official Instagram https://www.instagram.com/sumiyoshijinja_iki

撫でてご利益、くぐって満願成就 國片主(くにかたぬし)神社

国道332号を亀石の信号で右折し、県道172号を進むと県道174号とのT字交差点に「國片主神社」が現れる。こちらも「壱岐七社」。主祭神は少彦命(すくなひこのみこと)で、学問の神様の菅原道真も祀っている。因みに少彦命は一寸法師の由来となる神様だ。ご利益は学力向上、健康長寿、厄除けなど。

境内には願掛けのミニ鳥居が3つあり、そこをくぐって祈願するならわしがあるとか。またなでるとご利益ありの「撫で小僧」「撫で恵比寿」、そして「撫で大黒天」の石像が点在する。さらに招き猫の「招福猫」の石像は願い事を唱えながら女性は左回り、男性は右回りすると叶うとか。御朱印は社務所で直書きをいただける。

Location 長崎県壱岐市芦辺町国分東触766-4
Phone number 0920-45-4145
remarks 駐車場あり・トイレなし
Official Site https://kunikatanushijinja.com/

神道発祥の地の月讀本宮 月讀(つくよみ)神社

「國片主神社」を出てそのまま県道172号を進むと、すぐに「月讀神社」に到着。専用駐車場はなく、鳥居前のスペースに車を止める。拝殿は鳥居から急傾斜の階段を上った先。ご祭神は月夜見命(つくよみのみこと)、月弓命(つくゆみのみこと)、そして月読命(つくよみのみこと)の3柱だ。いずれも月の神で神道を根付かせた京都の「月讀神社」は、この壱岐の「月讀神社」から分霊した。つまり全国の月讀社の本宮であり、日本の神道の発祥の地だという。

月は暦や潮の干満、生命体のバイオリズムなどに関わり、生命の誕生(安産)、漁業農業の繁栄(大漁豊作)などの御神徳があるとされる。毎年、旧暦の9月23日には壱岐神楽が奉納される。御朱印は社務所で受け取れる。

Location 長崎県壱岐市芦辺町国分東触464
Phone number 0920-45-4145
remarks 駐車場なし・トイレなし
Official Site https://kunikatanushijinja.com/

聖母はマリアでなく、神功皇后よ! 聖母宮(しょうもぐう)

さて、県道172号を引き返して再び国道332号を北進。15分ほどで勝本漁港に突き当たる。左に折れて港沿いに走り、漁港の突端付近裏手の住宅地に回る。入り口の鳥居を抜けて角地に立つ聖母宮へ。駐車場は2台が止められる。小さな神社だが勝本の守護神的存在だ。

聖母とは神功皇后を指し、この地から三韓遠征に出立したという。由緒は西暦200年までたどれると宮司さん。壱岐でも最古級の社であり、「壱岐七社」の一つでもある。表門と神社周りの石垣は加藤清正が、裏門は肥前鍋島藩の鍋島直茂が寄進したとか。そして境内には巨大シャコガイの手水鉢が。こちらはパラオから寄進されたもの。御朱印は社務所で受け取れるが事前に電話予約が必要だ。

Location 長崎県壱岐市勝本町勝本浦554-2
Phone number 0920-42-0914
remarks 駐車場あり・トイレなし

三猿石像がずらりとお出迎え 男嶽(おんだけ)神社

勝本漁港から東に向かって男岳へ。男岳は壱岐で三番目に高い、といっても標高156mだが、当然道は狭いところが多い。男岳は明治時代まで山全体がご神体であり、一般人は立ち入りが制限された聖域だったとか。その山頂にあるのが男嶽神社だ。ご祭神は天孫降臨の先導役を務めた猿田彦大神。

神社には三猿の石像があちこちに奉納され、その数約250だという。厄除け、良縁の御神徳があるとされ、石牛もあることからかつては家畜の安産も祈願されていた。そして拝殿裏にある「磐座(いわくら)」がご神体。実はここ、コンパスが狂う磁気を放つ磁場、すなわちパワースポットなのだ。触ると人によっては熱を感じたり、痛みを感じたりするとか。尚、現在は御朱印の授与が行われていないそうだ。

Location 長崎県壱岐市芦辺町箱崎本村触1678
Phone number 090-5400-2581
remarks 駐車場あり・トイレあり
Official Site https://ondakejinja.com/

男嶽と共に参拝すれば満願成就! 女嶽(めんだけ)神社

男嶽神社と対を成すのが女嶽(めんだけ)神社。この2社を参拝すると夫婦縁が強まるとされている。男岳からダムを隔てた女岳にあり、細い山道を登り進んでいくことに。古くから「願い事、男岳参りで半分叶い、女岳参れば満願かなう」と言われ、満願成就を果たすなら女嶽神社は外せない。猿田彦の妻、天鈿女命が女嶽神社のご祭神だ。

参拝の後、境内から案内板に従って徒歩で坂道を降りていくと、しめ縄がかけられた巨石が現れる。これが女嶽神社のご神体「巣食石(すくひいし)」で、男嶽神社同様に磁場だ。コンパスの針がくるくる回りだし、パワースポットを感じさせてくれる。

Location 長崎県壱岐市芦辺町箱崎釘ノ尾触101
Phone number 090-5400-2581
remarks 駐車場あり(神社境内にスペースあり)・トイレなし
Official Site https://ondakejinja.com/mendake/

神社建築の装飾ってシュールだ 箱崎八幡神社

女岳の山道を県道23号に向けて下り、わずか約3分で「壱岐七社」の一つ、「箱崎八幡神社」に行ける。8世紀末に男岳に「式内月讀神社」として建立され、博多の筥崎宮を勧請して「箱崎八幡神社」の名になったという。ご祭神は豊玉毘古命(とよたまひこのみこと)や玉依姫命(たまよりひめのみこと)などで、海の男の守り神として航海安全や大漁祈願など信仰を集める。

朱塗りの拝殿とその奥の本殿は、梁上の蛙股(かえるまた)には鯉と鳥、屋根を支える手挟(たばさ)みには鳥や鯱、梁の木鼻には龍と象の彫刻が施されている。それにしてもなんで壱岐に象なんだ?海の神になんで象なんだ?と内心ツッコミを入れてしまう。宮司は男嶽・女嶽両神社の宮司を兼任しており、御朱印はショートメールで予約申し込みを。

Location 長崎県壱岐市芦辺町箱崎釘ノ尾触1294
Phone number 090-5400-2581
remarks 駐車場あり・トイレなし

壱岐の青い海に対峙する 龍蛇(りゅうだ)神社

壱岐は離島だ。やはり開放的な海景色を眺めながら、神社参りをしたい。箱崎八幡神社から県道23号を右に出て走る。目的地は龍蛇神社だが、車は少弐(しょうに)公園キャンプ場前の駐車場へ。ここまで所要時間は約7分。遊歩道を抜けると、そこには大小の石がいくつもむき出しになった荒くれた風景が青い海を背景に広がる。そして簡素な朱色の鳥居が立ち、小さな祠がポツンと設えられている。

龍神崎と呼ばれる小さな岬にあり、明治半ばに出雲大社から龍蛇神(りゅうじゃじん)を迎え祀ったという。波が打ち寄せ、白く泡立つ海面を眼下に見ながら柏手を打つ。御朱印はキャンプ場近くの壱岐神社に事前予約しておけば受け取れる。

Location 長崎県壱岐市芦辺町瀬戸浦
Phone number 0920-45-1276(壱岐神社)
remarks 駐車場あり(キャンプ場前駐車場利用)・トイレあり(駐車場横公衆トイレ)

壱岐絶景スポットに龍神あり 左京鼻龍神

龍蛇神社から再び県道23号に出て約16分、八幡半島の先端近くにある左京鼻を目指す。途中には海を背に鳥居が立つ「金毘羅神社」があり、寄り道も良い。車は左京鼻駐車場に止め、遊歩道の先にやはり朱塗りの鳥居が見えてくる。あるのはその鳥居のみ。約1キロ続く断崖絶壁と海中から突き出た柱状節理状の玄武岩が島の絶景ポイントだ。

この岩は言い伝えでは、島が流されないように8本の「観音柱」でつなぎとめたうちの1本だとされている。また、江戸時代前期に干ばつが続き、この地で陰陽師が雨ごいをしたところ、大雨が降って村人が干ばつから救われたという伝説も。それも龍神を祀った謂われなのかもしれない。

Location 長崎県壱岐市芦辺町諸吉本村触1512
Phone number nashi (Pyrus pyrifolia, esp. var. culta)
remarks 駐車場あり(左京鼻駐車場利用)・トイレあり(駐車場公衆トイレ)

壱岐のモンサンミッシェル 小島神社

左京鼻から来た道を引き返す形で内海(うちめ)湾の「小島神社」までは約6分。壱岐の観光スポットの中でも断トツ人気の神社で、干潮時にだけ現れる参道から神社へ行ける。太陽と月の引力が導く神への道で、パワースポットにふさわしい。小さな島の中に社があり、「壱岐のモンサンミッシェル」といつしか呼ばれるように。

主祭神は天照大神の弟須佐之男命(すさのおのみこと)、その母の伊邪那美命(いざなみのみこと)など。恋愛成就、縁結び、商売繁盛、開運などにご利益ありという。事前に干潮時間を調べる必要があるが、満潮時用の拝殿も駐車場近くに設けられている。また3つの♡ストーンもあるのでお楽しみに。御朱印は近くの「寄八幡神社」に事前予約すれば直書きが受け取れる。因みに院通寺(いんどうじ)にある小島神社は干潮時に参道は出現しないのでご注意を。

Location 長崎県壱岐市芦辺町諸吉ニ亦触1969
Phone number 0920-45-1263(寄八幡神社)
remarks 駐車場あり・トイレなし