カッパがお出迎え柿の葉色づく田主丸散策のススメ
日本でいちばんカッパが居る町は旬の果物が魅力の町
福岡県南東部に位置する久留米市田主丸町は、耳納連山の麓に広がり雄大な筑後川の間にある自然豊かな場所。そして県内有数の果物の産地だ。 春はイチゴ、初夏から晩夏にかけてはブドウにイチジク、秋には柿と季節の果物がたくさん生産されており、果物畑が季節の移ろいを知らせてくれる。田主丸町は、植木の生産地としても歴史があるため、苗木や植木を育てている畑も風景に溶け込み美しい。
季節で魅力が違う「山包の道」
ドライブにおススメなのが、県道151号(浮羽草野久留米線)と耳納連山に挟まれた形で並行して走る「山包の道」やまづとのみちと読む。秋には耳納連山の紅葉とともに柿の葉が赤く色づく柿畑が美しい。
道の両側には、旬のフルーツ狩りが楽しめる観光農園が数多く点在する。
全長約6キロの「山包の道」は、山手の道ならではの高低差とその季節の風景が楽しめるのが魅力の散策道だ。道沿いには左右に観光農園が多くあるので、その季節ごとに賑わう場所でもある。
自然豊かで美しい風景を楽しむ観光スポットにしようと、平成7年(1995年)に道の名前を一般公募。333通の中から選ばれた名前で、「包」には、ワラに包まれた土産物という意味があるという。源氏物語にも「山苞にもたせ給へり紅葉」という句があることから、”山々に包まれた道” “みやげものの多い道”という意味を込めて選ばれた名前だ。
およそ30年の間に多くの人に知れ渡り、休憩場所としてトイレの設置も進んだことでドライブはもちろん徒歩での散策を楽しむ人も増えた。
道沿いにはワイナリーや焼酎蔵元におしゃれなカフェやレストランも増えた。季節の果物の無人販売も魅力的で思わず覗きたくなる。
サクラの時期の前後には、春の野の花に木々が競うように咲くのも美しい。桜の名所や古刹など散策&探索も楽しめる久留米おススメのドライブコースだ。
古墳女子人気の公園で古代に思いをはせる
あまり知られていないかもしれないが田主丸町には古墳が多くある。
その中でも大塚古墳は国指定史跡「田主丸古墳群」の一つだ。
古墳で代表的な形である前方後円墳で、墳丘全長103m、後円部の直径60m。古墳の形状や出土品から6世紀後半に築造されたと推測されている。築造当時、九州最大の規模だったのではないかと考えられており、江戸時代の久留米藩士の矢野一貞(やのかずさだ)は、「筑後将士軍談」で「山辺街道の南側にあり、当国一の大塚なり」と記しているという。
現在は、公園となっており春には桜の名所として多くの人で賑わう。
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住所〒839-1212 福岡県久留米市田主丸町石垣1394−6
参考:詳細を見る
伝説の水神?1000体が点在
そんな田主丸町は、数々の「河童伝説」が残ることから、伝承・継続を願う人たちでつくる「九千坊本山田主丸河童族」なる地元有志が存在し、子どもたちと一緒にカッパにちなんだ地元の祭りを盛り上げる活動をしている。そんな地元の人たちの活動で、子どもたちはちいさな頃からカッパは身近な存在だ。
町内には水神のご神体含め、約1000体ものカッパがあちらこちらに佇んでいる。学校の登下校中にきっと何体ものカッパに挨拶をしているだろう。
そんなカッパは、TVなどでも取り上げられたことで訪れる人も増え、SNSに上げる人も増えたのだとか。表情も豊で、思わずカメラを向けたくなるのも納得。
実は、日本一⁈かっぱが居る町なのが田主丸だ。
このユニークなカッパは、1体見つけると他はどんなカッパなのか気になってしまい、結果的に次のカッパを探してしまう。設置された年数や石の素材の違いもあり、風情ある佇まいになっている子もなんともかわいい。
御影石で作られているものなど個性豊かだ。ぜひ、お気に入りの1体を探しに田主丸まで足を運んでみては。
観光協会では散策マップも発行しており、フォトジェニックな一枚を撮ろうと呼び掛けている。
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田主丸町商工会HPを確認する
カッパの顔の駅舎
JR久大線田主丸駅の駅舎もカッパ。
改札口に佇むのは1956年に造られて以来ずっと駅を利用する人に「いってらっしゃい」と「おかえりなさい」を続けている石造の駅長カッパ。
人が多かったのでタスキを掛け直してあげられずの記念撮影となったのが心残り。駅長カッパさんごめんなさい。
ホームに鎮座しユニークにお出迎え
耳収連山を背負ってホームに鎮座する巨大カッパは筆者の推しカッパ。
湯布院の森号など、停車しない特急の車窓から知らずに見た人は絶対に驚くだろうなと、この巨大カッパを見るたびに「うふふ」と笑ってしまう。
困っているような、照れているような・・・なんとも言えない愛嬌のある姿が良いところ。
2024年4月から運行している人気の特急観光列車「かんぱち・いちろく」の停車駅でもあるので、乗客は少しの時間だが下車することができる。初めて降り立つホームに巨大カッパを見つけた人の中には記念撮影する人も多い。
もちろん"撮り鉄"にも人気スポットだ。
中は温もりあるカフェスペース
駅舎には、カパテリアというカフェも併設しており、カレーや季節のスイーツなどが食べられる他、
ちょっとしたお土産も置いてあり、数分間停車する人気観光列車「かんぱち・いちろく」などの乗客を楽しませている。
駅舎二階から望む田園風景と耳納連山
2024年春から、外観から見るとカッパ頭部にあたる2階をカフェスペースとして開放をしており目の部分の窓からの眺望も楽しめる。
南側の窓からは耳納連山と巨大カッパの四季折々の風景が心を和やかにさせる。行きかう電車も眺められ、ホッと一息つける穴場スポットだ。
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