長崎県平戸市 食の祭典 平戸ひらめまつり
ひらめを食べるなら今だ!ひらめを食べるなら平戸だ!
ひらめが旬の時期を迎えている。俗に左ひらめ、右カレイと言われるが、カレイが大衆魚であるのに対して、ひらめは鯛と並ぶ高級魚。白身魚の刺身では最上とされ、淡泊な味わいながら、旨みが凝縮している。そんなひらめの漁獲高で全国トップクラスなのが長崎県平戸市。旬の時期恒例の「平戸ひらめまつり」で平戸のひらめを堪能しよう!
脂が乗ってうま味たっぷり
身が締まった寒びらめの美味
ひらめは1月から3月にかけてが旬。この時期のひらめは「寒びらめ」とも呼ばれ、身が厚くきめ細かくなる。しかも産卵前で脂が乗り、最も美味しくなるのだ。平戸近海は対馬海流が流入して餌の小魚が豊富。そこで五島灘からの荒波にもまれたひらめは、身も締まっているのが自慢。
平戸市南部地区の志々伎地区は天然ひらめの水揚げ高が100t強と日本有数で、中には「座布団」と呼ばれる体長50cm、重さ5㎏以上の超巨大サイズもあるのだとか。1㎏以上のひらめは「平戸ひらめおがみ」のブランド名がつき、「平戸ひらめまつり」の期間中、宿泊施設や飲食店でその極上の味に巡り合えるのだ。
平戸大橋を渡る前に食べるなら
2025年のひらめまつりは1月25日から3月16日まで。その間、15店の飲食店と8軒の宿泊施設でひらめ料理を提供する。また平戸島だけでなく、「平戸口」と呼ばれる平戸大橋の陸側の田平町エリアでそのうちの3店舗と民宿「黒門」が参加している。
飲食店では平戸の新鮮な魚などが買える「平戸瀬戸市場」2階レストラン。平日のみの提供で「平戸ひらめ御膳」(2,300円)」が味わえる。その道向かいの「平戸西端夢浪漫田平店」では「ひらめ刺身単品」(1,870円)、「ひらめ茶漬け」(1,320円)、そして「ひらめ刺身定食」(2,420円・写真)が食べられる。真っ赤な平戸大橋とその向こうの平戸島を眺めつつ、ひらめを食べるのも一手。
握り寿司で味わうなら松浦鉄道沿線の「侍寿司」で。ひらめの握りが味噌汁付きで1,980円。他にも刺身定食(1,980円)や「ひらめ御膳」(2,750円)がある。近場の観光としてカトリック田平教会がお勧め。1918年の建造で鉄川与助が設計したレンガ造りの教会だ。国重要文化財。
気軽に、カジュアルに、ひらめ三昧
さて、平戸島内では飲食店12店と7軒の宿泊施設が「ひらめまつり」に参加。肩ひじ張らずに気軽に味わえる店舗として、まずは平戸市漁協内の「旬鮮館」はどうだろう。いかにも漁協の食堂といった趣で、「ちょっとお昼ご飯」という気分で行ける。1,700円のひらめ茶漬け、2,200円のひらめ定食、ひらめ丼が出される。
平戸オランダ商館に通じる辺りでは3店舗。「海鮮めし処あまちゃん」も「旬鮮館」同様、大衆食堂的な佇まいで、「ひらめ定食」(2,300円)が食べられる。古い商家を利用した「創作和食dining椿」があり、「平目刺身定食」(1,430円)や「ぜいたく平目会席膳」(2,970円)など3種類が選べる。変わり種メニューならその先の「COFFEE&PIZZA大渡長者」。「ひらめシーフードピザ」(Mサイズ1,300円)を提供する。平戸オランダ商館見学もお忘れなく。
平戸市役所前の国重要文化財の眼鏡橋「幸橋」近くにある「レストラン ベイリーフ」もカジュアルな雰囲気で過ごせる。提供メニューは「ひらめ御膳」(2,200円)。そして平戸大橋から市街地とは逆の川内峠方面へ行けば、「海の見えるごはん屋」でのひらめ料理に出合える。店名通り、窓の外の海景色を見ながら「ひらめ御膳定食」(1,800円)や「ひらめ御膳」(3,500円)を味わってほしい。羽釜で炊いたご飯も自慢だ。
観光の後は、夜の居酒屋でひらめ料理
平戸市は松浦氏の城下町。平戸港の西側、市役所裏手が平戸城の区域であり、平戸城天守台や二の丸跡を整備した亀岡公園がある。反対の東側、平戸城と向かい合う漁港裏手に当たる鏡川町には「松浦史料博物館」があり、650年余りこの地を治めた松浦氏のさまざまな資料を見ることができる。
城下町での観光を終えたら宿で、あるいは夜の居酒屋でひらめ料理に舌鼓を打とう。地元人気店の「いけす居食屋大徳利」は「ひらめ御膳」(2,500円)に天ぷらを付ければ2,850円に。ちょっと奮発して3,600円の「旬平戸御膳」も楽しみたいところ。「居酒屋旬楽」はランチ営業もしているので、昼と夜で「ひらめ定食(2,000円)」がいただける。さらに「お食事処よ志乃」もランチ営業ありで。夜は加盟店の中で最も遅く23:30まで営業。ひらめ寿司1貫からでも受け付け、1貫330円。刺身は2,300円、ひらめ御膳は2,800円だ。
寿司屋で楽しむなら「いけすすし豊鮨」か郊外の「宝寿司」。「豊鮨」はひらめ丼(2,860円)などの他、ひらめ握り(8貫・みそ汁付き3,300円)などを用意。「宝寿司」はひらめ刺身定食、ひらめ握り定食が共に2,300円だ。
そして高級料亭で贅沢にコース料理として堪能するなら「2019ミシュランガイド」に掲載された「囲炉裏料理エビス亭」。市街地から離れた山の中にあり、完全予約制で「ひらめ満足コース」(1名10,450円)を受け付けている。
宿でじっくりひらめを味わい尽くす
平戸市にはホテル・旅館・民宿など、宿泊施設が観光協会加盟だけで40数件ある。そして平戸には温泉があり、数こそ少ないが温泉施設を備えた宿泊施設もそろっている。ひらめまつり参加の宿で温泉付きは6軒。宿の料理として「ひらめ会席」や「ひらめ御膳」、あるいは宿泊プランとして「ひらめまつりプラン」の特別メニューを用意している。
市街地なら平戸オランダ商館裏手に位置する老舗の「旗松亭(きしょうてい)」、あるいは平戸オランダ商館の先の海辺の温泉が楽しめる「平戸海上ホテル」。平戸大橋方面に続く道沿いにある旧脇川温泉の「ホテル彩陽」も平戸瀬戸の海景色を浴室から眺められる。平戸瀬戸を望む高台の「旅亭 彩月庵」は全室客室温泉付きだ。
そして平戸島北端にある「旅館 田の浦温泉」は通好みの一軒宿。宿も小ぢんまりとしている。自慢は空海ゆかりという炭酸鉄泉だ。料理の量、鮮度、コスパの良さ、そして美味さで人気を誇る。
温泉はないが、平戸ひらめの本丸とも言える志々伎浦にある「民宿 栗山」も見逃せない。志々伎漁協女性部の漁師のおかみさんたちが獲れたての魚で料理をふるまう。当然、ひらめも目の前が産地の鮮度だ。田平口の「民宿 黒門」、湯を平戸温泉から給湯する1日1組限定の「古民家宿その田」もそれぞれ「ひらめまつりプラン」を提供する。宿でじっくり、湯上りにじっくり、平戸の寒びらめで至福の時を過ごそう。
初春の寒びらめを味わいつつ、歴史ある平戸の町を散策してはいかが?2月3日には数量限定でひらめ恵方巻も販売されるとか!お問い合わせは平戸観光協会へ。