河津桜とシロウオ漁、早春の佐々町へ
Index
長崎県北部にある佐々町は、かつて参勤交代が通る「平戸往還」の宿場町として栄えた。大正時代から昭和初期までは「炭鉱の町」でもあったが、近年は佐世保市のベッドタウンとして注目されている。特に目立った観光資源がない町だが、早春2月中旬から河津桜が咲き始め、シロウオ漁が始まる。一足早い春を見つけに佐々町へ出かけよう。

桜色に染まる、桜尽くしの町

西九州自動車道佐々インターチェンジを降りると、そこが佐々町。ゆるやかに流れる佐々川に沿って開けたのどかな町だ。人口は約14,000人だが、子育て世代が多く、高齢化率が低いという。住みやすい町と言えそうだ。そんな町の自慢の一つが桜。
「千本公園」では2月になると早咲きの寒緋桜が咲き、続いて2月中旬から下旬にかけ、佐々川河畔の約1.5キロの遊歩道「桜づつみ」に、同じく早咲きの河津桜が咲く。その数は約260本。菜の花も同時期に咲き、川沿いの遊歩道をゆっくり散策しながら花見ができる。因みに河津桜は寒緋桜と大島桜が交雑してできた桜だとか。寒緋桜由来の紫がかった紅色花弁と大島桜由来の大ぶりの花が特徴だそうだ。

河津桜の後は3月下旬から再び「千本公園」でソメイヨシノを中心に桜が咲きだす。公園のなだらかな階段をのぼりながら、階段沿いの桜並木を眺められる。ここは桜の後はツツジが咲き、町の花名所でもあるのだ。

さらに町の中心地から川を渡って古川岳麓の「真竹谷」へ。真竹広場には11品種約60本の枝垂れ桜が植えられ、長崎県一とも言われている枝垂れ桜名所だ。実はこれだけの品種の枝垂れ桜が一つの場所に集まっているのは全国的にも珍しいのだとか。3月下旬から4月下旬にかけて、やや濃いめのピンクの枝垂れ桜が青空を背景に咲き誇る。

因みに古川岳は町のパワースポット。神が降りる山として崇められたことから「降神岳」とも呼ばれてきたという。平安時代には山頂に神殿が置かれ、今も登山道には十体の観音像や菩薩像が祀られている。これらは昭和初期に有志らが寄贈したのだとか。男性的な岩肌と柔和な仏像のコントラストも面白いかも。


早春の味覚シロウオ料理はいかが?

佐々町の名物はシロウオ(素魚)。2月中旬から3月中旬にかけて、佐々川ではシロウオ漁が行われる。シロウオはハゼ科の魚で体長は5センチほど。頭部が丸く、透き通るような体をしており、この時期に産卵のために川に遡上する。それを伝統的な四つ手網の仕掛けで捕獲するのだ。その風景がこの時期に川沿いで見られ、佐々町の早春の風物詩になっている。
因みに、シラウオ(白魚)とは別物。シラウオ科の魚で体長はシロウオの倍の10センチ近く。頭はとがって体は半透明だ。生息地はシラウオが主に東日本、シロウオは四国・九州。だから九州の人間にとってシロウオはなじみが深いと言えそうだ。

さて、捕獲されたシロウオは生きたまま鮮魚店などへ。生きたままのシロウオをポン酢などで食べる「踊り食い」は、早春の味覚として親しまれている。実はこの踊り食いこそシロウオ料理の代表で、実はシラウオは生食できない。佐々町にはこのシラウオの料理を提供する飲食店が3軒ほどあり、日本料理の「和香園」では踊り食いをはじめ、吸い物、かき揚げ、卵焼きで味わえる。まずはピチピチ飛び跳ねるシロウオを堪能しよう。
獲れたてのシロウオをお土産に購入するなら「さらやまプラスカフェ&直売所」で。因みに、シロウオの姿に似せた「シロウオクッキー」というお菓子も町内の菓子店で販売しているのだとか。生のシロウオは苦手なら、クッキーで代わりにという手もあり?
3月過ぎても佐々町は花満開!
河津桜、枝垂れ桜、ソメイヨシノと桜に彩られる佐々町の春。桜の季節を過ぎてもツツジや花菖蒲が次々と花開く。「さらやまプラスカフェ&直売所」と隣接する皿山公園がそのスポット。桜が散るとツツジが咲き、5月下旬から6月上旬にかけて、約2万本の花菖蒲が咲き乱れ、辺りを美しい紫色に染める。長崎県北部でも最大数を誇り、この時期は花菖蒲を鑑賞しに訪れる人も多い。
目立たない、知る人ぞ知る小さな町の花名所。ちょっと旅してみては?

| 所在地 | 長崎県北松浦郡佐々町本田原免168-2(町役場) |
|---|---|
| 電話番号 | 0956-62-2101(役場代表) |
| 問い合わせ先 | 佐々町役場企画商工課 |