九州の雛特集

女子旅なら
雛の国九州へ

 九州の春を華やかに彩る「雛祭り」。各地に伝わる雛祭りの行事が春の訪れとともに始まる。年代物の雛人形から現代的な雛人形まで、色とりどりの雛飾りと共に公開され、歴史ある町並みの魅力がさらにアップ。期間限定の雛料理など、お楽しみもいっぱい。やっぱり女子はお雛様が好き♡

福岡県柳川市
九州の雛行事の代表格!
柳川雛祭り さげもんめぐり2024

 立派な雛壇を中心に、色とりどりの飾り物が天井から釣り下がる。柳川の雛祭りには欠かせない「さげもん」飾りは、女の子の初節句に健やかな成長と幸せを祈って作られるもの。7連の糸にそれぞれ鶴やウサギ、ひよこ、這い人形などの7つの縁起の良い布細工の小物や「柳川まり」をつける。7の7倍で49個。その上部に2個の「柳川まり」を加えて51個に。かつて、人生50年と言われた時代に、誕生した女児が少しでも長生きできるようにという願いだという。鮮やかな糸で巻き上げた「柳川まり」は旧藩主立花家に仕えた腰元たちが始めた。

 かつては近隣の人々が女の子の初節句を祝いに訪れ、華やかなさげもん飾りを楽しんだ。そんな風習を今に伝えるのが「さげもんめぐり」。期間中、観光施設や店舗の軒先などで雛壇とさげもん飾りが展示される。藩主別邸である「柳川御花」では本館御役間の絢爛豪華な雛壇を中心に、さげもんと「柳川まり」を見ることができる。また、様々な催しも開催され、初日2月11日は「おひな様始祭・行列」を実施。着物で行けば特典がある「柳川きもの日和」(3月2日・3日)や、地元幼稚園児が内裏雛や官女らに扮した可愛い「おひな様水上パレード」(3月17日)も。どんこ舟で雛巡りを楽しむ「雛めぐり舟」は3月2・3・9・10日の運航予定だ。

期間:2024年2月11日(日)~4月3日(水)
問合せ:柳川雛祭り実行委員会
0944-73-2145(柳川市観光協会)
柳川市観光協会公式サイト

福岡県八女市
お茶の国、人形の国の雛巡り
雛の里 八女ぼんぼりまつり

 八女市は八女茶で知られる茶処、そして数多くの伝統工芸品が作られる工芸の町。中でも「八女人形」は有名で、八女の雛人形、五月人形が全国で売られる。そんな八女市の中心街「八女福島地区」は400年以上の歴史を持ち、江戸時代から昭和初期の白壁土蔵の商家約150軒が今なお残る。「国選定重要伝統的建造物群保存地区」にもなっている。雛祭り期間中はこの一帯の町家や民家、店舗など約100か所で雛人形を展示。珍しいのは「箱雛」と呼ばれる箱入りのお雛様。八女地方特有のもので、かつて仏壇職人が作ったのだとか。時代によっても雛の顔かたちが異なるので面白い。

 最も見応えがあるのが「八女人形会館」。徳川将軍家の姫君らが輿入れに持参したひな人形とひな道具など、目を見張るものがある。その他、江戸時代を中心に作られた非常に価値の高い人形約1,600点余りが公開される。期間中は「おひな様パレード」「福島八幡宮での結婚式」、「おひなさま供養祭」、八女の酒蔵公開などが繰り広げられる。さらに食事休憩場所として白壁の町並みの中にある町家を改装したお食事処もおすすめ。

期間:2月11日(日)~3月10日(日)
問合せ:八女市茶のくに観光案内所
0943-22-6644
八女市茶のくに観光案内所公式サイト

福岡県うきは市
庶民のお雛様に心ほっこり
筑後吉井おひなさまめぐり

うきは市の吉井町の商家群も八女市福島同様、「国選定伝統的建造物群保存地区」だ。しかも実は福岡県内での選定第一号。国道210号線沿いに江戸時代末期から明治にかけて建てられた白壁土蔵の商家が建ち並ぶ。江戸時代は久留米有馬藩と天領日田を結ぶ豊後街道で、宿場町としても栄えた。雛祭り期間中は商店など14ヶ所で雛人形を展示。吉井町は八女市と同じく「箱雛」や「おきあげ」と呼ばれる雛人形が特徴だ。

 「おきあげ」は厚紙などに下絵を描いて切り取り、その上に綿を乗せ、着物などの端切れ布でくるんで貼り合わせたもの。細い竹串を通し、畳のヘリなどに立てて飾る。羽子板人形のような平面の人形で、題材は雛より歌舞伎や浮世絵などが多い。一説には豪華な雛人形が買えない庶民が手作りして雛の節句を祝ったという。そんな気取らないおきあげ人形を見ながら、散策してみては?

期間:2024年2月11日(日)~3月20日(祝)
問合せ:筑後吉井おひなさまめぐり実行委員会
0943-76-3980(観光会館 土蔵(くら))
筑後吉井おひなさまめぐり

大分県日田市
豪商の雛人形、庶民の雛人形ずらり!
天領日田おひなまつり

時代物のひな人形が並び、各時代の「雅顔」の特長を見せる

 大分県日田市は江戸時代、幕府直轄の城下町「天領」として九州随一の栄華を誇った。中心地だった豆田町は豊かな暮らしの豪商たちが軒を連ねていた。幕末から明治・大正にかけて建てられた白壁土蔵の古い商家が数多くあり、こちらも「国選定重要伝統的建造物保存地区」に指定されている。期間中は「天領日田資料館」をはじめ、旅館街の隈地区を含めて10数箇所で古今の雛人形を展示。旧家の「草野本家」では江戸時代から明治初期のものを多数公開し、「日田醤油」の「ひな御殿」には約4000体の雛人形がずらりと並ぶ。まさに圧巻の雛飾り展示! さらに雛道具の数々にも目を奪われる。実は雛道具も当時の女の子の嫁入り道具だったとか。

日田雛祭り おきあげ
天領時代の町並みが残る豆田町

 一方で、ここでもやはり「おきあげ」も多く見られる。久留米有馬藩主の参勤交代で筑後吉井からもたらされたという説が一般的。それに日田だって豪商ばかりではない。豪華な雛人形に手が出せない貧しい家庭では、代用の雛人形を作って娘の成長を祈っただろう。恒例の流し雛は3月3日(日)に開催。

期間:2024年 2月15日(木)~3月 31日(日)
問合せ:日田市観光協会
0973-22-2036
日田市観光協会公式サイト


城下町の竹田市で風情ひとしお
岡藩城下町雛まつり

 岡藩7万石の城下町竹田は四方を山に囲まれた静かな町。難攻不落の城「岡城」は瀧廉太郎の名曲「荒城の月」でも知られる。江戸時代、岡藩では節句に竹や紙で作ったお雛様をお祝いに送ったと文献に残されていることから、現代風にアレンジした「竹雛」や手作りの創作雛人形が古い雛人形と共に展示される。商店やギャラリーなど約40カ所にそれぞれ時代の異なる雛人形や雛飾りを陳列し、行きかう人の足を止めさせる。

 時代雛の違いを比べるのも面白い。江戸期から明治の内裏雛は面長の雅な顔立ち。大正雛は卵型、昭和雛はややふっくらとし、目元もいくぶんぱっちりなど、時代によっても顔立ちが微妙に異なる。因みに竹田は「西南の役」の激戦地だったため、江戸時代の雛人形が少ないのだという。明治以降の雛が多いのもそのため。そして竹田のもう一つの内裏雛は「竹田(ちくでん)玉子人形」だ。卵が貴重品だった時代、裕福な旅館の女将や商家の妻が卵の殻で作ったという。竹田の郷土民芸になっている。題材は雛に限らないが、筆でちょん、ちょんと目鼻が描かれた雛は少々ずんぐり。どこかほのぼの温かくなる。期間中は一部の宿や飲食店で雛に因んだ料理が出される(写真はイメージ)。ぜひ、味わってほしい。

期間:2024年2月9日(金)~3月10日(日)
問合せ:竹田市観光ツーリズム協会
0974-63-0585
竹田市観光ツーリズム協会公式サイト

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