どっかり桜島!遊びつくせ桜島!

大正3年(1914年)の大噴火で大隅半島と陸続きになるまで、桜島はれっきとした火山島だった。今も南岳から噴煙を上げ、ダイナミックな雄姿が鹿児島の象徴となっている。とかくその姿を眺めることに終始しがちだが、そこには火山島ならではの遊びが待っているのだ。
まずは知るべし、桜島のコト 火山島の歴史と暮らし

鹿児島港からフェリーで桜島に到着。ご存知の方も多いだろうが、鹿児島港から桜島港のフェリーの所要時間は約15分。乗船してコーヒーでも飲んでいればあっという間だ。1日50往復と便数も多い。桜島に着いたら桜島ビギナーには「桜島ビジターセンター」をお勧めしたい。「火山のミニ博物館」として桜島噴火の歴史とメカニズムを分かりやすく紹介し、桜島のライブカメラやリアルタイムの観測データで、桜島の今を知ることができる。
因みに、桜島は年間平均噴火数が約200回。多い時では千回近く噴火し、1日2,3回噴火が起きることも。火口から半径2キロ以内は立ち入り禁止だ。世界有数の活火山であり、黒い火山土壌の上に転がる無数の岩石、またはこげ茶色の溶岩軽石が景観を成す。そしてすべての川に水がなく、雨が降ると土石流が川上から流れてくる。噴火すれば灰が降り、雨が降ると土石流が流れ込む。そんな桜島だが人々が暮らし、桜島を誇りにもしてきた。そんなことをここで頭に入れて、桜島体験へ。


スコップ片手に足湯掘り 波打ち際のほっこり体験

ビジターセンターはNPO法人「桜島ミュージアム」が運営し、博物館展示の他、桜島観光の情報提供、ミュージアムショップでの桜島グッズ販売、レンタサイクル、体験ツアーなどのサービスを行う。そして「桜島天然温泉掘り」もその一つだ。ミュージアムショップで「桜島天然温泉掘りセット」を購入し、ガイドなしで体験できる。セットは税込み1,100円。
場所は島の南の有村海岸。ここで足湯を掘るのだが、干潮時の2,3時間前が40度前後の湯が出るベストタイムだとか。干潮時の砂浜をスコップで掘るが、粒子が細かい火山灰が積もって意外と固い。そのため足が砂に沈むことがないのだ。掘るうちにやがて茶褐色の湯が静かに湧いてくる。「潮が引くにつれ湯が出るポイントは海寄りになりますよ」とスタッフ。
この湯、海水ではなく地下水がマグマによって温められたものが、潮の満ち引きで地表近くまで上がってくるそうだ。茶褐色の湯は潮の引き具合によっても温度が変わる。足湯が掘れたら足を湯につけ、波音を聞きながらほっこり。干潮の時間帯はビジターセンターで確認できるが、雨天の場合は土石流の危険があるため体験はできない。また、掘った後の海岸の美観維持にもマナー遵守で。


サイクリングで桜島を走る 活火山の麓を走る

桜島ビジターセンターではレンタサイクルの貸し出しを行っている。また、NPO法人桜島ミュージアムのメンバーによるガイド付きのサイクリングツアーもある。「Volcano Life Journey」の名で運営し、「火山暮らしの地球観を旅する」がコンセプトだ。ベーシックな「桜島の最高到達点へ!大正溶岩周遊ライド」の半日コースや期間限定ツアーも含めた体験メニューを用意。桜島の噴火跡をガイドの説明を聞きながら見て回れる。
例えば朝陽が桜島にかかる「桜島ダイヤモンド」を眺めるなら、早朝ツアー「桜島ダイヤモンドツアー」を。桜島の直焙煎コーヒーとパンの朝食付きだ。時間にたっぷり余裕があり、体力にも自信があるなら走行距離約36㎞の1日コース「桜島一周まるごと体験!Eバイクツアー」もいい。こちらは昼食付き。予約時にはアレルギーやベジタリアンであるなどの昼食条件を伝えておこう。どのツアーもEバイク利用で走行距離は半日コースが約16㎞、標高差380m前後だ。コース内容を確認し、事前予約と準備をしっかり整えて、さあ、桜島サイクルツアーへ!

桜島を錦江湾から制覇? 錦江湾ブルーツーリズム

さて、桜島が浮かぶ錦江湾でのアクティビティも見逃せない。錦江湾は鹿児島湾の別名。湾奥部の桜島の南側と霧島市で挟んだ海域は「姶良カルデラ」であり、3万年前のカルデラ噴火で誕生した。桜島は3千年前の噴火でそこに誕生し、姶良カルデラは桜島火山のマグマ供給地だとか。近年は錦江湾でのブルーツーリズムも人気に。カヤックスクールの「かごしまカヤックス」では先の足湯掘り体験を組み合わせた「海から桜島を楽しむ3時間ツアー」などが体験できる。雄大な桜島を横目にカヤックを漕ぎ、マグマがもたらした海中温泉や海浜足湯を楽しむツアーだ。2名以上で小学校高学年の児童も保護者同伴で可。
短時間で楽しむなら1時間の「サンセットツアー」を。鹿児島市街地に沈む夕日を、桜島を背にして錦江湾から眺められる。こちらも2名以上で小学校高学年の児童は保護者同伴で参加できる。さらに錦江湾の海中生物を観察する「桜島 海の生物観察DAY」は親子連れにピッタリ。箱メガネで海中生物を観察したり、小島に上陸して海辺の生物を観察したり。タイミングが良ければ錦江湾を泳ぐイルカに遭遇できるかも。実は錦江湾にはミナミハンドウイルカをはじめ、ハセイルカ、ハンドウイルカが棲息しているのだ。桜島は噴煙を上げながら、多くの楽しみを提供している。



桜島ビジターセンター
所在地 鹿児島県鹿児島市桜島横山町1722−29
電話 099-293-2443
入館料 無料
開館時間 9:00~17:00
休館日 無休
桜島ビジターセンター公式サイト
NPO法人桜島ミュージアム
所在地 鹿児島県鹿児島市桜島小池町1327
電話 099-245-2550
営業時間 9:00〜17:00
定休日 土曜・日曜
NPO法人桜島ミュージアム公式サイト
Volcano Life Journey
所在地 鹿児島県鹿児島市桜島小池町1327
電話 099-245-2550(NPO法人桜島ミュージアム内)
営業時間 9:00〜17:00
Volcano Life Journey公式サイト
かごしまカヤックス
所在地 鹿児島県鹿児島市桜島横山町1722(桜島マグマ温泉隣)
電話 099-298-4259 または090-4583-6920(野元)
営業時間 8:00~21:00
定休日 不定
かごしまカヤックス公式サイト