八女福島雛の里。城下町の雰囲気残る手仕事の町
福岡県の南部に位置する八女市。八女茶で有名なお茶の産地だ。
その他にもイチゴの産地として観光農園も人気のひとつ。中心部の平野部から自然豊かな山間部まで、水と緑豊かな場所。行く先々でお茶畑が広がり、清流のせせらぎに鳥のさえずり、森の木々が風に揺れる音が心を和ませる。日常から離れたいと思った時に行くにお勧めの場所だ。福岡市内から八女インターまで高速で1時間弱。ドライブするのにも丁度良い距離だ。
白壁の町並み散策がおすすめ
八女市の中心部、市役所の南側に位置する福島地区は白壁の建物が残るノスタルジックな場所。
柳河の治水整備に尽力した田中吉政が整備したとされる八女福島。初代藩主は吉政の三男康政だ。天守閣を持たない平城だったが、ライフラインが整えられ城下町として栄えた。
一国一城令により歴史は浅く廃城となるが、その後は商家町として残り、現在は、国が選定する「伝統的建造物群保存地区」になっている。
その町並みは、江戸から昭和初期間の伝統的な建物が旧往還道沿いに連なっており、そこに立つとタイムスリップしたかのような感覚になれるのが良いところ。
近年は、その建物を利用しながら残そうと、おしゃれなカフェや飲食店、高級ホテルなどに姿を変え、国内外から多くの観光客で賑わっている。
筑後地区の伝統工芸品「久留米絣」を使った現代風モンペや歴史ある各地の生活雑器などを販売している「うなぎの寝床」は、2軒の町家をイノベーションした雰囲気ある店舗で、日本の手仕事の良さを伝えている。また、「NIPPONIA HOTEL八女福島」は、旧酒蔵と旧老舗茶舗をリノベーションした2つの宿泊施設。それぞれの家屋に刻まれた生活文化が、客人を温かく迎え入れている。
若者に人気の雑貨店▼
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話題の高級宿泊施設▼
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春の一大イベント「雛の里・八女ぼんぼりまつり」
八女は、古くからひな人形を作り続けている生産地でもある。
そのため「雛の里」として、毎年2月中旬から3月中旬までの1か月間、「雛の里 八女ぼんぼりまつり」を開催。町のあちこちにひな人形を展示して観光客を楽しませている。
中でも、八女福島のひな飾りの象徴である「箱雛」は、一風変わった”箱入り”の雛飾りだ。
この飾り方は、八女の仏壇や建具などの職人らが副業として作ったものと言われている。箱に入れられているのは、江戸時代、大名や武家、大店といった富裕層にしか許されなかった豪華な雛飾りを、庶民たちも憧れ、「大事なわが子の成長のために」と、仏壇や提灯、手すき和紙などの職人らが人形を作り、それを杉箱に入れこっそりと隠し、飾ったことが始まりだという。
当時、仏壇や提灯は、蒔絵や絵付けなどが分業されていたため、職人それぞれが細やかな仕事をしているのが分かる。まさに”手仕事の町”ならではの雛飾りだ。
雛の里 八女ぼんぼりまつりサイトはこちら▼
https://yame.travel/project/bonbori/
次代に受け継ぐ”手仕事”
今も”手仕事の町”として職人たちがその技を受け継いでいる八女福島。八女提灯もその中のひとつだ。
清流矢部川という水に恵まれた土地柄、繊維の長いコウゾが育ち、それが原料となる手すき和紙はとても丈夫だったことから評判となり、江戸時代から昭和初期にかけて盛んにつくられた。
そんな和紙の産地ならではの産業のひとつが提灯づくりだ。竹林もたくさんあったことから、骨組みの竹ヒゴの材料にも恵まれた。職人たちは競い合うように絵付けの技術を高め、現在も多くの絵師が手描きの提灯を作っている。これらの伝統工芸を一堂に集め、展示しているのが「八女伝統工芸館」。手すき和紙などの体験も可能だ。
また、伝統的な工芸品の継承にも力を入れるだけでなく、その職人技を活かし、現代の生活様式に合った提灯に漆塗りのアクセサリーなど、新しいものづくりに挑戦している。その文化や景色、人の温かさに魅了された若い人の移住も少なくない。
八女伝統工芸館
https://yamedentoukougeikan.jimdo.com/
茶葉も食す「黄金の一滴」伝統本玉露
八女市は、日本でも有数のお茶の産地。全国茶品評会「玉露の部」では、23年連続で「産地賞」を受賞しており、国内で最高位の品評会で認められた玉露だ。その中でも、昔ながらの製法で育てられた特別な「八女伝統本玉露」は、農林水産省の「地理的表示保護制度」によるGI認証の逸品。
適温の湯を注ぎ入れ、しっかり時間を計って淹れたそれは、今まで飲んだことがない”緑茶”だと思うほどの味わいで、”うま味”が濃い。香りも楽しんだ後には、酢醤油で茶葉も食すという、ちょっとしたお茶のコース。玉露の生産地八女市星野村でも有名だが、八女福島でも味わうことができるので、山間部まで行く時間のない方には市内で楽しめる場所もお勧めだ。元造り酒屋の建物を整備した「八女市横町町家交流館」の八女茶カフェはその一つ。まずは一服、ごゆるりと。
八女市横町町家交流館
https://yamekanko.com/machiya/
八女茶を使った茶そばが人気
2023年12月に完成したという八女茶を使った「八女茶の茶そば」。
現在は、お茶の販売店や土産物店、道の駅たちばななどで店頭販売をしているが、飲食店でも展開していく準備中とのこと。八女市健康増進施設べんがら村では、早くもレストランのメニューとして人気になっているという。
・化粧箱入りギフト用は八女商工会議所のみでの販売で3袋入り税込み2,708円(1袋80g✕3束)
・お土産用(80g✕3束)税込み756円
お問い合わせは、八女商工会議所▼
http://yamecci.or.jp/wordpress/
水が美味しい八女には老舗酒蔵も
商家の町として栄えた八女には、歴史ある酒蔵もある。地元の人はもちろん、県内外のファンが本当に多く、国外のファンまでいるほどの美酒。
水が美味しい八女の日本酒。土産物としてもおススメだが、ぜひ、飲み比べていただきたい。
■株式会社喜多屋
https://www.kitaya.co.jp/
▼酒蔵解放2024年3月2日(土)開催詳細はHPで
https://www.kitaya.co.jp/news/?pageid=399
■株式会社 高橋商店
https://www.kitaya.co.jp/news/?pageid=399