物産館の名前は「わぎえの里」。「わぎえ」とは奈良・平安時代の古語で「我が家」の意味だ。かつて香春は都から太宰府に向かう太宰官道であり、官道の宿駅があったという。万葉集には「香春が我が家のように思える」という和歌がある。さて、筑豊炭鉱のシンボル、香春岳を望む駅の物産館にはニンジン、さつま芋、タケノコなど季節の野菜が並ぶ。炭鉱で栄えただけにプリンなどスイーツ系が充実し、弁当はがっつり系が目立つ。しかも手頃だ!
道の駅香春の自慢かつ人気の商品と言えば弁当! 弁当業者7社が出荷し、種類豊富で価格はこのご時世にあってとても良心的なのだ。中でも駅長の一押しは駅直営の加工所「かほり工房」の「幕内弁当」と「わぎえ弁当」。煮物、焼き物、酢の物、サラダなど総菜7種が詰まった「幕内弁当」が450円(税込486円)、九枡に3種類のご飯に総菜8~9種が並ぶ「わぎえ弁当」が500円(同540円)と、価格設定に頭が下がる。そして手作りの味の良さにほほが緩む。「かほり工房」は他にも唐揚げ弁当など5種類の弁当を木曜を除く毎日作っている。また、他の業者もカツカレー、麻婆豆腐丼、かつ丼、焼うどんなど、それぞれの弁当で味を競う。もちろん、お安い。買う側は「今日はどれにしようか」と楽しい選択ができる。
かつて銅の採掘が行われていた採銅所地区は、寒暖差が激しく谷風が吹き付けることから干し柿づくりも盛んだった。福岡原産の柿「葉隠し」を「あま干し柿」という独特の製法で干すと、糖度30度以上のトロリとした干し柿に。丸く美しい形と色つや、上品な味で数も少ない貴重な逸品だ。
共にかつての「小倉鉄道」時代に造られ、日田彦山線鉄道遺産群に指定されている。採銅所駅は大正4年(1915)に開業。旧小倉鉄道としては唯一現存し、天井などは大正モダニズムの装飾が施されている。欅坂橋梁はレンガを斜めに積む「ねじりまんぽ」と呼ばれる工法で、同工法の橋梁が現存するのは国内30ヶ所という。
福岡県田川郡香春町鏡山1870-1☎ 0947-32-8727営業時間 9:00~18:00 レストラン 9:00~17:00定休日 第3水曜日、1月1日~1月3日※2021年4月から無休九州自動車道小倉南ICより40分道の駅香春
道の駅香春MAP