山鹿和栗スイーツフェア2023

山鹿和栗スイーツフェア2023

 熊本県北部の山鹿市は古くから豊前街道の要衝であり、温泉地としても知られる。また、菊鹿地域や鹿北地域の栗の生産量は西日本一。そして品質の高さも誇る。そんな西日本一の栗の産地で恒例の「山鹿和栗スイーツフェア」が始まった。今年は34店舗から多彩な栗スイーツが勢ぞろい! モンブラン、栗饅頭、栗ソフト、栗パフェ…ああ、栗好き、甘党にはたまらない! 

 

八千代座に山鹿灯籠に
豊前街道ぶらり栗散歩

まずは山鹿市の中心地を貫く旧豊前街道へ。江戸時代の参勤交代道路で、今も古い商店などが残る。九日町の道筋にある明治末期に建てられた芝居小屋「八千代座」、優美な山鹿灯籠作りを紹介する「山鹿灯籠民芸館」などを見学しつつ和栗スイーツめぐり。目印は「山鹿和栗スイーツフェア」ののぼり旗だ。パンフレット持参で3店舗まわるスタンプラリーも実施中だ。八千代座周辺では7軒が参加している。和菓子屋の栗もなか、ピッツェリアの栗ピザ、カフェの栗パフェや栗ぜんざい、洋菓子店の定番モンブランなどなど、正に多士済々の栗スイーツといったところ。

 
八千代座
山鹿灯籠踊り(山鹿市)
 

旧豊前街道中町の商店街を抜けると、酒蔵の煙突が見えてくる。明治29年(1896年)創業の「千代の園酒造」だ。その向かいにも老舗の風格を醸す麹専門店「木屋本店」。こちらはさらに歴史が長く、江戸時代末期の天保13年(1842年)の創業だという。
ここでは山鹿和栗甘酒アイスクリーム「麹の恵み」(350円)を販売。九代目の井口裕二さんは「定番の甘酒アイスクリームに栗ペーストを練りこんでいます」という。もちろんその甘酒は木屋本店制。ほんのり栗の味と甘酒の風味と共に粒の食感がする。栗の果肉? 実はこれ、米麹の粒なのだ。さすが麹屋のアイスだ。

木屋本店 和栗アイス
 

さて、木屋本店などがある下町惣門地区は米の集散地だった。そのため酒蔵や麹屋、米蔵、せんべい屋が建ち並ぶ。この地区を散策する「米米惣門(こめこめそうもん)ツアー」は木屋本店などが見学でき、井口さんも麹作りの説明を担う。「コロナが明けて、少しずつお客さんが戻ってきました。和栗スイーツフェア参加店もこの界隈で増えていますよ」と微笑む。築130年の古民家を改装した和カフェ「情報発信館 湯のまち茶屋」もその一つで、「和栗アイスクリームぜんざい」は好みのお茶とのセットで900円という。では、もう少しぶらつきますか。

 
木屋本店 九代目井口裕二
米米惣門ツアー 案内
 
湯のまち茶屋 栗ぜんざい
 

・物産館も栗づくし
あれこれ食べて買って

栗に対する地元の熱量は高い。実は栗の収穫期は「山鹿和栗スイーツフェア」だけでなく、物産館メインの「西日本一の栗ウイーク」(9月15日~10月9日)、鹿北町飲食店による「鹿北いも・くり自慢街道」(9月21日~10月21日)も開催。さらに優待キャンペーン情報が。和栗スイーツフェアといも・くり自慢街道の参加施設のうち10施設で、名前に「栗」がつく人は優待サービスが受けられるというのだ。
道の駅かほく」の「ぷちかふぇ おぐりの樹」では「マロンミニパフェ」(1,000円)を提供している。マロンソフトの上に、マロンホイップ、マロンペースト、栗の甘露煮、そして栗の形のクッキーをトッピングとまさに栗づくしだ。いも・くり街道参加商品の「栗パイ」(1個370円)は数量限定で期間中なくなり次第終了という。そして名前に「栗」がつく人は4種類のソフトクリームが50円引きに。因みに物産館の栗の販売は、週末祭日は整理券を配布するという。それだけ栗を目当てに来る客が多いのだ。栗を買うなら早い者勝ち!

 
道の駅かほく マロンミニパフェ
道の駅かほく 栗
 

山鹿市南部の「道の駅水辺プラザかもと」も和栗スイーツと栗ウイークに参加。(栗ウイークは9月16~18日のみの参加で終了)スイーツフェア期間中は駅のパン工房「かんぱーにゅ」が「山鹿栗あんぱん」(1個200円)栗入りライ麦パン「セーグル・オ・マロン」(1個400円)を土日限定販売している。そしてこの駅も「栗」がつく名前の人キャンペーン対象施設の一つで、次回利用する際に使用できる温泉入浴券がプレゼントされる。

 
道の駅水辺プラザかもと 栗あんぱん
道の駅水辺プラザかもと 温泉館
 

鹿央町の「鹿央物産館」も忘れてはならない。和栗スイーツと栗ウイークの掛け持ち参加で、スイーツは「栗万十」(1個151円)を提供。しっとり皮の饅頭の中に品の良い白あんに包まれた栗が入っている。手土産にしてもいい。
栗ウイーク参加店としてはレストラン「やすらぎ館」の定番、「岩原双子塚古墳・発掘カレー」(1,100円)で勝負。うん?なんで古墳? 実は物産館近くに県内最大の前方後円墳「岩原双子塚古墳」があるのだ。古代米のライスを古墳型に盛り、周りを梨入りの手づくりカレールーが囲む。スプーンはスコップ型!これで古墳ライスを掘ると…後はお楽しみ。時間があれば物産館向かいの熊本県立装飾古墳館を見学しよう。

 
岩原双子塚古墳カレー 鹿央物産館
 

心込めて作る和栗スイーツ
旅は甘い思い出と共に

山鹿市南部の来民(くたみ)地区の「原田食品製造所」も和栗スイーツフェア参加店。明治20年(1887年)創業の味噌・麹・餡の製造店だ。5代目の原田英司さんが父の伸也さんと共に営んでいる。餡作りに大事なのは国産の良質豆と山鹿の清冽な地下水。炊いた豆をグラインダーで擦り潰し、目の細かい網に入れて地下水を張った水槽の中へ。水をかき混ぜて餡を沈殿させる。それをさらし袋の中へすくい上げて搾れば餡は滑らかに。砂糖を加えてさらに練っていく。山鹿市内の和菓子店などにも餡を卸し、この和栗スイーツフェア参加店の中にも原田さんの餡を使っている店があるのだとか。

 
原田食品製造所 黒餡作り
原田食品製造所 白餡作り
 

和栗スイーツは「和栗入り水ようかん」(1個370円)。インゲン豆より小粒の手亡豆(てぼうまめ)で作ったペースト状の白あんに、同じく栗のペーストを練り合わせて作る。「水ようかんのペースト状のあんこ、それがうちの独自製法です」。穏やかな表情の原田さんがそっと胸を張る。その和栗入り水ようかん、口に含むとつるんと舌の上を滑っていく。驚くほど滑らかだ。栗の甘さと風味も程よく軽やか、あっさりとして後味が良い。べたつく甘さなど無縁。原田食品製造所の水ようかんは全6種。栗だけでなく、全て手土産にしたくなる。

 
原田食品製造所 和栗水ようかん
 

次に向かったのは「菊鹿ワイナリー」。ワインの製造販売をする一方、併設のAIRA RIDGE(アイラリッジ)はカフェと山鹿のセレクト物産品店を備えている。そして山鹿和栗のスイーツは「和栗ソフトクリーム」(400円)。プラス100円でモンブランクリームと栗の甘露煮をトッピングしてくれる。甘露煮とモンブランクリームの濃厚な栗の味と甘さ控えめのあっさり系和栗ソフトクリームが合う。期間中は栗タルトも数量限定で販売しているとか。

 
菊鹿ワイナリー外観
菊鹿ワイナリー アイラリッジ内観
 
菊鹿ワイナリー 和栗ソフトクリーム
 

最後に観光施設「あんずの丘」にある「山鹿和栗洋菓子店An(杏)」を訪ねた。同店を経営する株式会社あんずの植田隆司社長は、実はこの「山鹿和栗スイーツフェア」の事務局的立場にあるのだ。「参加店自らイベントを運営して成長してきました。来てくださるお客さんも年々増え、パンフレットがすぐなくなるほど」。そうでしょうとも、これだけ栗のスイーツがあるんですから。こちらの店では「栗ころムース」(390円)を始め、「和栗ザ・モンブラン」(440円)、「山鹿和栗シュー」(210円)、そして「丸ごとマロンパイ」(300円)を販売中。因みにここも名前に「栗」がつけば10%引きに。うらやましいぞ栗田さん、栗山さん、栗原さん…それにしても山鹿は和栗パラダイスだ!

山鹿和栗スイーツフェア公式サイト
山鹿探訪なび

 
山鹿和栗洋菓子店 和栗ザ・モンブラン
 
山鹿和栗洋菓子店 山鹿和栗シュー
山鹿和栗洋菓子店An 丸ごとマロンパイ
 

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