高鍋大師

旅先で目にする不思議な「珍百景」。
某テレビ番組ではないが、やっぱり目にすると気になる。
宮崎の知られざる珍百景に秘められた奥深い物語を紹介しよう。

ヘタウマを超えたパワー全開!
コツコツ彫って700体以上! 神も仏もご近所さんも合祀だ!

 宮崎県中北部の高鍋町の中心部から車でわずか10分足らず、「花守山」と呼ばれる小高い丘の頂上にすっくと立ち並ぶ奇妙な石像群がある。高さ6m前後のものが9体。石を無造作に切り出し、つなぎ合わせたような、実に大雑把な造形なのだ。失礼ながら小学生の美術工作のような出来栄え。でありながら、どこかユーモラスで大らかだ。そう、これが「高鍋大師」なのである。
 正確に言うと、高鍋大師と呼ばれる石造群は大小700体以上もある。さらにその周囲及び石段の脇などには、明らかにプロの手によるものと判る石仏が点在する。実は高鍋大師は、岩岡保吉という人物の「信仰心」が発端である。明治22年、香川県に生まれ、若くして高鍋での米穀販売業が大成功。やがて故郷四国巡礼の旅をし、高鍋に八十八か所霊場をつくると決意した。当地を購入し、大分から仏師を招いて石仏88体を作らせたのだった。

 
高鍋大師像が立つ花守山は花公園としての整備が進んでいる
各仏手に刻まれている言葉もどこかシュールな「十二めんやくし(十二面薬師)」
 

 しかし、ここで終わらなかった。高野山で得度した後、自ら石仏作りを始めたのだ。周囲の持田古墳群の盗掘に心を痛め、古墳の霊を慰めるためだったという。無論、彫像技術の基本などない。あるのは熱意、信念、信心、正義感。石を切り、削り、着色し、平仮名・カタカナ・漢字が混然とした銘を刻んだ。
 以来、87歳で没するまで心のままに制作し続けた。「百たいふど(百体不動)」「十一めんくわんのん(十一面観音)」があるかと思えば「スサノオノミコト」「アマテラスオオミカミ」もある。正に神仏習合。はたまた黄門様ご一行、その傍らに「親亀子亀孫亀」! シュールである。「たなべちずこ四十七才」と刻まれた石像には、「たなべちずこって誰よ!?」と突っ込んだが、他にも幼い兄妹らしき名前と年齢、日付が刻まれたものがある。
 そうか、岩岡保吉は自分の近隣縁者などが亡くなる度に、その霊を慰めるべく石像を作り続けたのかもしれない。お世辞にもうまいとは言えない。だが、ヘタウマの中にある大らかで温かなパワーが人を惹きつける。それが高鍋大師であり、岩岡保吉の作なのである。

 
明治百年を記念して作った「アマテラスオオミカミ」
 

高鍋大師

宮崎県児湯郡高鍋町持田
問合せ NPO法人高鍋町観光協会
0983-22-5588
アクセス 東九州自動車道高鍋ICから約5分

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