大野系岩戸神楽

400年の歴史を刻む大野系岩戸神楽。
勇壮な神々の舞いは各流派に別れ、豊後大野の里に広く伝播した。
神と人が一つになる宴の賑わいが里山にこだまする。

勇壮かつ華麗な舞い、大野系岩戸神楽の殿堂

 豊後大野市を中心とする大分県南部エリアは、神楽をはじめとした多くの民俗芸能が受け継がれている地域である。「道の駅きよかわ」に隣接する『神楽会館』は、それら民俗芸能の殿堂。月に1回定期公演を行っており、各地で活動する神楽座が出演している。
 この日の出演は浅草流松尾神楽。この地域に伝承される大野系岩戸神楽の中でも最も多く伝播する、浅草流の流れをくむ神楽座だ。神楽といえば女人禁制のイメージがあるが、ここでは10年以上前から女性も参加しての活動を行っている。「もう男性が女性がという時代でもないですし、元々神楽に出てくるアマテラスオオミカミもアメノウズメノミコトも女性の神様ですからね(笑)」と話すのは楽長の高野幸雄さん。後進の育成にも力を注いでおり、地域活性化や青少年の健全育成も目指した子ども神楽を結成して11年。ここで学んだ子ども達の一部は、成人した後に神楽座へ参加し、次代の担い手として活躍している。

 
浅草流松尾神楽の楽長・高野幸雄さん。18歳〜80歳まで約20名のメンバーをまとめるリーダー。子ども神楽の運営など後進育成にも積極的
 

 約3時間の公演で披露されるのは、全34番のうち4番。演目はその日によって異なるが、いずれも古事記や日本書紀に描かれる天孫降臨神話をモチーフにしており、登場する場面を舞いで表現している。サルタヒコとアメノウズメノミコトの掛け問答が見どころの「地割」から始まり、「五穀」「柴引」と続き、クライマックスの「岩戸」へ。軽快な笛と太鼓の音色に合わせて舞う姿は勇壮で、見るものを引きつける。「柴引」は荒神と客が榊を引き合って力比べをし、「五穀」はスサノオノミコトが客席に向けて餅をまく、観客参加型の舞いだ。五穀豊穣への感謝として神に捧げるという側面がある一方、里人達の娯楽という意味も合わせ持つ里神楽ならではの演出である。
 大野系岩戸神楽の源流である御嶽神楽が始まって400年あまり。豊後大野の里がますます熱く燃え上がっている。

 
「岩戸」のクライマックス、タヂカラオノミコトが天の岩戸を開きアマテラスオオミカミを連れ出す場面
通称“餅まき”とも呼ばれる「五穀」。春や秋の例大祭において必ずと言っていいほど舞われることの多い人気の演目
 

豊後大野市神楽会館

大分県豊後大野市清川町砂田810
0974-35-2372
アクセス 大分自動車道大分米良ICから約45分
http://www.bungo-ohno.jp/categories/shisetsu/kagura/

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