阿蘇の湧水「水基」巡り

世界最大級のカルデラを有し、今も時折噴煙を上げる阿蘇中岳。
阿蘇は火の国のイメージが強いが、実は水の国でもある。
雨が降りやすい阿蘇は清らかな伏流水が地下を流れ、地上へ湧き出る。

門前町商店街の阿蘇神社側入り口近くにある「金脈の泉」

火の山阿蘇が恵む美味し水
「水基」を求めてぶらぶらお散歩

 阿蘇は太古の昔から阿蘇山の伏流水が地下を流れ、いたるところで澄んだ湧水が見られる。阿蘇の人々は清水の恵みを受けて暮らしてきた。阿蘇一之宮である阿蘇神社の脇にある「門前町商店街」も例外ではない。こんこんと湧き出る湧水があり、地元では「水基」と呼ぶ。水を出す基という意味であり、昔から飲料水や生活水に利用してきたという。
 商店の軒下などに水基があり、阿蘇神社の参拝客らが自由に水を汲める。「一時期、門前町商店街はさびれてしまった。それを再生させたのが水基でした」と商店街の一人は言う。熊本地震でダメージも受け、コロナ感染症による観光客減もあるが、徐々に観光の足が戻ってきている。
 さて、これらの「水基」にはそれぞれ名前が付けられている。熊本銀行前の水基は「金脈の泉」、肥後銀行前は「金運の泉」時計屋のそれは「竹沢(チクタク)の雫」、酒屋は「酒杜(さかもり)の水」というように。商店街の中だけでも15ヶ所以上ある。
 文房具店「丹波屋」では「御神水おみくじ」を売っている。水に浸すと文字が現れるおみくじ。巻物風になっており色やデザインも多彩だ。これを軒先の「文豪の水」に浸す。どんなご神託が出るかはお楽しみに。商店街の名物の品を見ながら、馬コロッケやシュークリームなどをテイクアウトして、水基巡りをしよう。
 

 
門前町商店街入口にある水基。水量豊かに商店街の水路へ流れ込む。
文房具店「丹波屋」
阿蘇神社の脇にある門前町商店街。メインストリートや脇道にいくつも水基がある。
「つけもの処 健蔵」は震災後建て替わり、漬物専門から商品の幅を広げたという。
 

レトロな校舎がおしゃれに変身!
阿蘇の隠れスポットで過ごす

 

 門前町商店街を北に抜ける鳥居を出て、左に折れていくと旧女学校跡へ。ここにはかつて明治35年(1902)に創設された裁縫女学校「私立宮地裁縫女学院」があったという。昭和52年(1977)まで学校が運営され、その後は裁縫工場に転用されたが平成13年(2001)で廃業。しかし、5年後に現在のオーナーが敷地を購入した。
 以後、オーナーが校長室跡を利用して経営するかんざらしの店の他、古い校舎を活用して店を開く人たちが集まってきたらしい。アンティークショップの「TOMMY’S」の建物は大正時代に建てられた校舎。昭和12年に建てられた校舎はおしゃれな雑貨とカフェの「TIEN TIEN(ティアンティアン)」に。風呂場だった小さな建物はコーヒーとスイーツの店「Komeko」にといった具合だ。他にもオリジナル小物を売る「北風商店(キタカゼパンチ)」がある。
 そしてやはり水基。ここには「開運の水」「龍命泉」、「神悦泉」の3か所がある。「神悦泉」とは女学校創始者の神山(こうやま)エツ子氏に因むとか。古びた木造校舎が並び、小川のせせらぎ、湧水の水音、そして野鳥の声が聞こえる絶好のロケーション。女学校跡でも最も古い建物である校長室を使ったかんざらしの店「結(ゆい)」の店内にも湧水が引かれ、湧水で冷やしたかんざらし、サイダーはもう涼味満点!夏場はそうめんもあるのでぜひ。
 水基巡り、女学校跡は阿蘇のおすすめ観光スポットだ。

門前町商店街 阿蘇一の宮まちづくりサイト
阿蘇市観光協会
かんざらしの店 結 ☎0967-22-5488

 
かんざらしの「結」には夏になると涼を求めて観光客がやってくる。
元校長室を利用したかんざらしの店「結」には湧水が流れ、サイダーなどを冷やしている。
明治創設の女学校校長室の前に、今も湧水はこんこんと湧き出る。
 

動画でも見てね!
「ふらっとチャンネル」

 

 

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