花咲く寺へ行こう!九州の花寺ベスト8

間もなく春満開。色とりどりの花が咲き誇る季節になってきた。桜の次はシャクナゲ、ツツジ、藤、アジサイなどが開花する。花公園もいいけど、古刹名刹などのお寺で花を見るのも風流では?そこで九州の花寺8ヶ所をご紹介。シャクナゲ祭りやツツジ祭りなども、お寺によっては開催されるので、ぜひ行ってみよう!
鎮国寺/宗像市

弘法大師開創の花と祈願の寺
唐から帰国した空海(弘法大師)が宗像大社の参拝後に修行し、日本ではじめて開創した寺として知られる。年間を通して美しい花が楽しめる名所としても有名で、「花と祈願の寺」と呼ばれるほど。初春の椿、3月末の桜、そして4月にはシャクナゲ、シャガ、ツツジが咲き誇る。寺には弘法大師の作と伝わる「不動明王立像」(国指定重要文化財)をはじめ、五仏堂(県指定文化財)、護摩堂などがある。
所在地 福岡県宗像市吉田966
電話 0940-62-0111
拝観時間 9:00〜17:00(要問合せ)
鎮国寺公式サイト
定林寺/大牟田市

千年の古刹の庭に咲くアジサイ
三池山の中腹、普光寺の手前にある定林(じょうりん)寺は中世三池氏の菩提寺。正治元年(1199年)建立とも言われている。境内の東庭を「磊庭(らいてい)」と称し、古代の落石の跡に色とりどりの紫陽花を植えている。そのため「アジサイ寺」と親しまれ、磊庭は紫陽花の開花期に「あじさい祭り」として一般公開される。今年の「あじさい祭り」は5月31日から6月15日まで。境内の三池氏供養塔や五輪塔などの石塔群にも古刹の風情がある。駐車場が少ないため、拝観客が多い紫陽花開花期は普光寺行きの路線バスの利用を促しているのでご注意を。(写真提供:大牟田市)
所在地 福岡県大牟田市今山1878
電話 0944-54-7501
拝観時間 9:00~17:00
大興善寺/基山町

ツツジ寺と言ったら間違いなくこの寺!
奈良時代の養老元年(717年)、高僧の行基がこの地で草庵を結び、十一面観世音菩薩像を作ったのが起源とされる天台宗の寺。十一面観世音菩薩像は秘仏として12年に一度の午年に公開される。大正時代に本堂の裏山の「契山」を拓いて5万本のヒラドツツジを植えたのが「ツツジ寺」の別称の始まりに。入口の127段の石段「きぼうの坂」の両脇にもツツジが植えられ、契山麓の「契園」ではツツジをはじめ、シャクナゲ、アジサイが陽春を彩る。毎年4月中旬から5月初旬に「つつじ祭り」が開催され、国指定重要文化財 多聞天(毘沙門天)像・広目天像の特別公開などが行われる。
所在地 佐賀県三養基郡基山町園部3628
電話 0942-92-2627
営業時間 8:30~18:00(契園)
料金 大人600円・小中学生300円
大興善寺公式サイト
浄徳寺/神埼市

樹齢400年の弁財天シャクナゲは伝説の花!
元禄2年(1689年)、脊振千坊の僧侶「探究」によって開山された浄土真宗本願寺派の寺。現在は新旧の本堂があり、シャクナゲ寺として公開されているのが旧本堂だ。裏手のなだらかな丘陵地に20種約1万本のシャクナゲが植えられ、シャクナゲの森は佐賀百景の一つに選ばれている。中でも樹齢400年の弁財天シャクナゲは佐賀県銘木の一つに指定され、 高さ6m、樹冠は6.5mと圧巻の姿を見せる。弁財天が英彦山でこっそり摘んだシャクナゲを英彦山の天狗に返す際、一輪だけ背振山に落としたという伝説が伝わる。令和7年の「シャクナゲ祭り」は4月19日~5月6日。本堂でのお茶接待などあり。
所在地(旧本堂シャクナゲ寺) 佐賀県神埼市脊振町服巻950
電話(旧本堂シャクナゲ寺) 0952-59-2317
拝観時間 8:00~16:00
拝観料 高校生以上500円、中学生以下無料
浄徳寺公式サイト
西福)寺/壱岐市

アジサイもきれいだけど、曲がり竹も気になる
西福(さいふく)寺は臨済宗の寺だが地元ではもっぱら「アジサイ寺」として知られる。裏山をはじめ敷地内には約25種1000株以上のアジサイが植えられ、色形も様々なアジサイが咲き誇るのだ。裏山には散策路を設け、訪れる人々がアジサイ鑑賞を楽しめるように配慮している。また、この裏山には節がくにゃっと曲がった孟宗竹が姿を見せる苔庭がある。竹のようにまっすぐにと比喩されるものだけに、なぜ曲がっているのか不思議。ハート形の手水鉢や土中に埋めた壺の中の水滴音を聴く「水琴窟(すいきんくつ)」で、風流なひとときを楽しんでは?
所在地 長崎県壱岐市石田町筒城西触128
電話 0920-44-5956
拝観時間 特になし(日没まで)
日輪寺/山鹿市

ツツジを植えたら古墳が出てきた⁉
日輪寺は平安時代に天台宗の寺として開山され、鎌倉時代に曹洞宗に改められた。以後、歴代の領主より手厚く庇護された。裏山が約200本の桜と3万5千株のつつじの名所としても知られる。ツツジの品種はクルメ、ヨドガワ、サツキの3種。実は昭和44年(1969年)に裏山のつつじ育苗園を造成中に、古墳時代前期の竜王山古墳が発見された逸話を持つ。その裏山には巨大な撫で仏「おびんずる様」が斜めにそそり立つ。 境内には多くの史跡があり、細川藩預かりとなった赤穂浪士の大石内蔵助良雄(くらのすけよしお)ら十七士の遺髪を納めた遺髪塔が殊に有名だ。
所在地 熊本県山鹿市杉1607
電話 0968-43-5802
拝観時間 9:00~18:00
長安寺/豊後高田市

隆盛を極めた古寺に咲くシャクナゲ
天台宗の寺であり、平安時代に衰微した高山寺に代わって発展した。平安時代から鎌倉時代にかけて千人の僧侶を抱え、鎌倉時代には将軍家の祈願寺として繁栄を極めたという。国重要文化財の「太郎天童像」や「銅板法華経」を収蔵。「花の長安寺」としても知られ、シャクナゲ・アジサイ・もみじなど一年を通じて楽しめる。4月には日本シャクナゲと西洋シャクナゲ約1万本が花を咲かせる。ピンクの日本シャクナゲは開花が進むと白に変化し、色の変化も楽しみだ。毎年GWまでが見頃という。その後はアジサイの開花期に。
所在地 大分県豊後高田市加礼川635
電話 0978-27-3842
拝観時間 8:00~17:00
青隆寺/指宿市

広大なお寺で花めぐり、寺カフェで一息
真言宗の青隆寺の開山は平成2年(1990年)と、まだ新しい寺だ。標高300メートルの山中に敷地3万坪を有する。敷地内には九州では珍しい本格的伽藍約20棟を配し、僧侶が作庭した日本庭園が広がる。そこには35トンの巨石をはじめとする石や苔、数百年前の石燈籠が配されると共に四季の花々が植えられている。枝垂れ桜に始まり、陽春のツツジ、シャクナゲ、梅雨に咲くアジサイなどの花々が庭園を彩る。また、寺カフェ「café Shogetsu」、そば・うどんの「照月庵」、和菓子処「弘大庵」があり、お参りの休憩にお勧めだ。
所在地 鹿児島県指宿市小牧1874-9
電話 0993-26-2306
拝観時間 9:00~17:00
拝観料 中学生以上500円、小学生200円
不動山青隆寺公式サイト
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2025年の春は花寺で目の保養、心の保養を。他にも素敵な花寺があったらぜひお知らせください。